渥美由喜氏父親向け講演会報告
講演内容および所感:
子育て期の父親の育児参加を促すと共に、育児参加の時間を確保する為に仕事において心掛けるべき事柄について
「気づき」を得てもらう目的がありました。
講師の渥美由喜氏については、内閣府の男女共同参画会議専門委員であるとともに、メーカー系シンクタンクである
「東レ経営研究所」において、ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長を務められています。
また、私生活においても5歳児と1歳児の育児、実父の介護の経験をお持ちです。
私は、企業においてワークライフバランスの担当をしております。その関係で、静岡県主催の講演会にて渥美先生のお話をお聴きした際に、先生の育児・地域に対する姿勢に深く感銘を受け、是非プライベートの活動である育児支援サークル「よしよし」のイベントにおいてお呼び出来ないか、と強く思ったことが今回の発端です。
当日の講演会においては、「仕事も生活も欲張りに生きる」と題し、実体験に基づいたリアルなエピソードをベースに、先生の体験、想いを語って頂きました。
内容については、
1.ワークライフバランス
2.東日本大震災後の「働き方」の変容
3.イクメンの意義と阻む「壁」
4.時間の有効活用
5.イクメンは育自と育地(自分が育てられる地域を育てる)
という5つの構成です。以下、要旨を箇条書き致します。
1.ワークライフバランス
・ワークとライフは二者択一ではなく、ワークの土台がライフであり、双方に相乗効果がある
・仕事(ワーク)と家庭(ライフ)を交互にこなすことでストレスを打ち消しあう効果がある
・女性の夫への愛情曲線は、出産後子供へ愛情がいく分減少するが、育児に積極参加しているグループは育児終了後に回復する傾向が強い。
2.東日本大震災後の「働き方」の変容
・長時間労働のリスク(本人の疾病や自殺、会社の不祥事)とコスト(時間外割増)
・ワークライフバランスが個人と会社の成長スパイラルにつながる
3.イクメンの意義と阻む「壁」
・ワークライフバランスが浸透しない「粘土層」の存在と、生活重視・仕事軽視の一部「ヌクヌク社員」の存在が壁となっている。
・仕事重視・生活重視の「イキイキ社員を増やしていくべき」
4.時間の有効活用
・業務品質の向上は、投入時間の減→「量が増える」→「質があがる」
・重要度と緊急度で整理する。
・時には70点主義(過剰品質・過剰サービスをやめる)
・企業が払っている時給は4,000円
5.イクメンは育自と育地(自分が育てられる地域を育てる)
・今、地域の子育て支援を担っているのは主に女性で、活躍している男性はごく僅か
・自分の子供だけを可愛がるイクメンでは、将来のモンスターペアレントにつながるだけであり、地域の子供に声、目、こころをかけるイクメンが必要
・子供は今と未来を映す鏡
・ワークライフバランスはリスクマネジメントにつながる、「良かった探し」
渥美先生の語り口については、アジテート(煽る)するのではなく、どちらかというとテンポ良く様々な事柄についてお話し頂くような感じです。よって、参加者は当初、淡々と講演を聴いている方がほとんどでしたが、段々と内容が進んでいき、自らのワーク(仕事)とライフ(家庭)の双方で生かせるようなエッセンスの部分になると、前のめりになってお話しを聞き入る方が増え、会場全体が静かなる熱気に包まれているような、何とも言えない良い雰囲気になりました。
全体の時間の関係から、残念ながら参加者からの質疑を受ける時間を確保できなかったことが唯一残念ですが、講演後、参加者全体の3分の1もの方が先生の著書を購入されたことからも、先生の想いは確実に伝わっているものと思います。
是非、今後についても何らかの形で先生に来て頂くようなイベントを継続的に開けたら、と個人的に感じました。
(杉パパ)
渥美由喜氏母親向け講演会 報告
29組の家族の参加がありました。
まずみなさんにホールに集まってもらい、
代表からよしよしの紹介と「絆力UPプロジェクト」の主旨について話しをしました。
午前中はママ向けの講演会です。
「イクメンの作り方講座」と題して、2度の育休をとって子育てに奮闘した話しを聞かせて頂きました。
育休をとって子どもとずっと一緒にいたことで、初めて母親の大変さ気持ちがわかったとの事です。
公園デビューの体験談や母親達のリアルな情報についておもしろくユーモアも交えながら話しをされていたので、ママたちも表情が緩やかだったと思います。
「人並みに子育てで苦労した事は、やがて来る介護のときに「ストレス耐性が増す」という大きな効果がある。」という話しは共感しました。
その他の印象的なお話は、
1、家事と子育てと介護をされており、この3Kをジャグリングのように回す事でいずれも必ず3恵(自分もハッピー、家族もハッピー、職場にも貢献)につながる。
2、毎日「よかった探し」をしている。自分自身が働いていてよかった、子育てをしていて良かった、介護をしていてよかったと思った瞬間を心の中で宝石のように大切に蓄える事ができる。
3、また自分の子どもだけでなく地域の子どもとの関わり、みんなで育てていくという事が大切である。
この話しは「よしよし」の活動をこれからも続けて行く事で叶えられるのはないかと感じました。
先生のお子さんの病気の話しは涙を流すママもいて、大変な中こうやって講演して頂けた事に本当に感謝しています。
途中、授乳のため退席された方は1名だけで、パパもパパなりにがんばってると感じながら
ママ1人で集中して話しを聞けた事は本当によかったと思いました。
(末吉)